第82回卒業証書授与式を挙行しました!

82回卒業式

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、出席者を卒業生、教職員、保護者に限定して、卒業証書授与式を実施しました。

 

【校長式辞】
 陽射しもすっかり明るくなり、春の息吹を感じさせる今日の佳き日に、多数の保護者の皆様のご出席を賜り、ここに星翔高等学校 第八十二回卒業証書授与式を、盛大に行うことができますことを心より感謝申しあげます。
 ただいま卒業証書を授与しました卒業生の皆さん、卒業おめでとう。また、お子様を育て、今日まで、支えてこられた保護者の皆様には、心よりお喜びを申しあげます。ほんとうにおめでとうございます。
 私は皆さんが入学した年に本校の校長に就任しました。入学式の際、まさにこの場所から皆さんの緊張した面持ちを見て、皆さん一人ひとりにとってこの星翔高校での日々が素晴らしいものになるよう祈るような気持ちであったことがついこの間のような気がします。
 その日から早三年、在学中は、楽しいこと、良いことばかりでなく、つらかったこと、悩んだこともたくさんあったと思います。特に、誰もが想像していなかった新型コロナウイルス感染症拡大のため、3カ月に及んだ臨時休業、体育大会、星翔祭については縮小実施、そして高校生活の一大イベントである修学旅行は中止を余儀なくされました。パンデミックは、皆さんの高校生活のかけがえのない最後の1年に大きな影を落としましたが、皆さんは、その困難を乗り越え、日々勉学や部活動に励み、卒業式の日を迎えることができました。
 今日は、二百五十三人めいめいの学校生活へのさまざまな感慨が胸に浮かぶと思いますが、この星翔高校で共に笑い共に苦しみ成長してきた事実を忘れないでください。私たち教職員は、保護者の方々とともに、皆さんがこの三年間で成長したことをお祝いしたいと思います。
 

 さて、今日は、卒業していく皆さんに対して二つのことをお話しし、はなむけの言葉としたいと思います。

 一つ目は、岡山のノートルダム清心学園理事長であった渡辺和子さん、5年前に89歳でお亡くなりになりましたが、その渡辺さんの本のタイトルになっている「置かれた場所で咲きなさい」という言葉です。
 渡辺さんは修道院で信仰の道に入り、アメリカに留学し、博士号を取得して帰国した一年後、三十六歳の若さで、大学の学長に任命されました。三十代のその頃、「くれない族」になったといいます。皆さん、「くれない族」って聞いたことがありますか。一生懸命仕事をしているのに、周囲が「わかってくれない」「褒めてくれない」「感謝してくれない」「挨拶をしてくれない」、こんなはずではなかったと、募る不満を先輩の宣教師に訴えたところ、先輩は笑って「あなたが変わらなければ何も変わらないよ」とおっしゃったそうです。その時、渡辺さんは、自分が変わり、自分の視点、発想を変えなければ何も変わらないと気づいたそうです。すなわち、挨拶をしてくれないのならこちらから笑顔で挨拶をする。感謝してくれないのならこちらから感謝の言葉を述べる。自分の置かれた環境を嘆いていたのでは何も変わらない。今を大切にし、自分が変わることで、周囲も変わっていくというメッセージだと思います。就職、進学と新しい世界、環境に巣立っていく皆さん、置かれた場所でしっかり根を張り、美しい花を咲かせてください。
 

 二つ目は、皆さんが、ここまで成長できた背景についてです。自分自身の努力だけでここまで到達できたのではなく、周りの人が皆さんのことを考え、関わり、支えてくれたからこそ、今の自分がいるということです。一つ目で述べたことと関連しますが、これから今までと異なる環境、新しい人間関係の中で、時には疲れ、孤独を感じることもあると思います。しかし、皆さんの周囲には、深い愛情をもって常に気にかけ、支えようとしている人がいます。忘れないでほしいのは、皆さん一人ひとりが、他の誰でもないかけがえのない存在であることです。さまざまな環境で、いろいろな壁にあたると思いますが、そのことを思い出し、自信を持って深呼吸し、学び続け、歩んでほしいと思います。

 終わりにあたり、本日、卒業生を祝し、ご列席いただきました保護者の皆様に重ねてお礼を申しあげますとともに、この三年間、本校の教育に多大なるご理解とご協力を賜りましたことを全教職員を代表し、あらためて厚くお礼申しあげます。ほんとうにありがとうございました。
 卒業生の皆さん、元気で一歩一歩確実に前進してください。皆さんの前途が洋々たるものであることを信じ、将来のご多幸をお祈りして式辞といたします。


令和三年二月二十七日
学校法人浪工学園 星翔高等学校
校長 辻井 安喜
 

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