第81回卒業証書授与式を挙行しました

2020.02.22

生憎の雨模様でしたが、多数のご来賓、保護者のご出席のもと、第81回卒業証書授与式を予定どおり終えることができました。

【校長式辞】

　陽射しがすっかり明るくなり、春の訪れがそこここに感じられる今日のよき日に、多数のご来賓並びに、保護者の皆様のご出席を賜り、ここに星翔高等学校　第八十一回卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、私たち教職員・在校生にとりましても大きな慶びでございます。ご臨席賜りました皆様に心からお礼申しあげます。

　ただいま卒業証書を授与しました卒業生の皆さん、ご卒業おめでとう。社会人として活躍する道を選択した人、進学して学問の道を究めようとする人、今、様々な道へ、第一歩を踏みだそうとしている皆さんは、それぞれの感慨に浸っていることと思います。また、お子様を育て、今日まで、支えてこられた保護者やご家族の皆様におかれましては、思いひとしおのものがあるとお察しいたし、改めてお祝い申しあげます。

　さて、卒業生のみなさん、星翔高校の三年間の生活はどのようなものだったでしょうか。

　期待と不安が入りまじる桜の下での入学式、体育大会や星翔祭等の行事、修学旅行、部活動、そして就職、大学進学等の進路決定のための試験、資格取得のための講習、さまざまな思い出が駆け巡っていると思います。

　この間、国の内外を問わず社会の変化は激しいものがありました。

　国内では、暮らしを脅かす未曾有の自然災害が続きました。世界に目を向ければ、地球温暖化に伴う世界的な気候変動、核合意をめぐる経済制裁で深刻な対立が続いているアメリカとイラン、また、アメリカと中国の貿易摩擦、イギリスのEU離脱、加えて新型肺炎の世界的流行など、国際情勢は先行きが益々見通せない状況が続いています。

　皆さんは、このような社会、国際情勢の中においても、ご家族、先生、友人、さらに本校創立以来、多大なご支援をいただいている多くの方々の支えによって今日の日を迎えることができました。今日という日は、自分を取り巻く多くの人々の心に感謝し、今までの自分を振り返る日でもあると思います。

　ここで、皆さんが卒業するにあたって、三つのことをお話しし、はなむけの言葉としたいと思います。

　一つ目は、星翔高校の卒業生として自信と誇り、そして高い志をもって、それぞれの道を歩んで欲しいということです。

　本校は、昭和十三年に開校した浪速工学校から数えると、創立八十三年目を迎えた伝統校です。これまでに二万四千人余りの卒業生が、本校を巣立ちました。本日、卒業する皆さんはその一員に加わることになります。

　海外で勤務するためのビザ申請に必要な英語訳の卒業証明書を、星翔高校、その前身の浪速工業高校の卒業生に対して、私がサインして、今年度も十二通発行しました。このように毎年多くの卒業生が海外に渡っています。国際社会の動きにも深い関心をもつ人間に成長し、国内はもとより世界中で活躍する先輩に続いて欲しいと願っています。

　二つ目は、「情報処理能力、特に情報の選別能力を高めて欲しい」ということです。

　今は、多くの人がスマートフォンやパソコンをもち、洪水のごとく溢れているネット上の情報から目的の情報を得ようとします。素人が書いたようなわかりきった内容の情報記事が検索結果のトップに現れることもあります。また、まがいもの、偽物、有害なものなども数多く含まれています。インターネットだけに頼るのではなく、本を探し、新聞などを読んで、「自分はどう思うか」と一歩立ち止まって考え、何が適切なものであり、自分に必要なものかを選別できるようになってください。

　三つ目は、「社会的マナーを身につけて欲しい」ということです。

　私は、日ごろから「挨拶をきちんとしましょう、遅刻をしないように」など「当たり前のことが当たり前にできるように」言ってきました。

　このことを繰り返しみなさんにＡＢＣＤの規則として紹介してきました。

Ａ（当たり前のことを）Ｂ（馬鹿にせず）Ｃ（ちゃんとできる人）がほんとうにＤ（できる人）です。

　「挨拶の励行　時間厳守」などは、社会的マナーであり、むしろ社会に出てこそ、大事になってきます。ＡＢＣＤの規則を常に忘れずいて欲しいと強く望みます。

　終わりになりましたが、本日、ご列席いただきましたご来賓の皆様、保護者の皆様に重ねてお礼を申しあげますとともに、三年間にわたって学校に賜りましたご理解とご協力に深く感謝いたします。

　卒業生の皆さん、お別れです。体に気をつけて、それぞれの道を、目標に向かって一歩ずつ、周囲とよい人間関係を築きながら前進してください。君たちの限りない発展と今後の活躍をお祈りして、式辞といたします。

令和二年二月二十二日

学校法人浪工学園　星翔高等学校

校長　辻井　安喜